「結果、十分可能だと判断した」

なっ、何だとっ!?

「あのぅ?大変言いにくいんですが、矛盾してません?さっき《愛じゃなかった》って言いませんでした?それでも婚約を継続したいと言うことでしょうか?」

提督さんは立ったまま、また腕を組み、うーんと天を仰いだ。
何だか、自分でもどう言ったものかを悩んでいるようで、あーでもない、こーでもないとブツクサ呟いている。

「提督さん??」

見かねて声をかけたけど、提督さんはまだブツクサ言っている。
一体何をどうしたいの!?
と、私がツッコミをいれたのが聞こえたのか?提督さんはバッとこちらを見た。

「オレは変わった君のことを好ましいと言ったな?」

「はい」

「つまりそういうことだ」

どういうことだ!?
これだけの言葉で理解しろと?
さすが昭和初期日本男子、言葉が足りない。
あ、うん、でわかれよなーっていう古風な日本男子の典型ですね。
首を傾げたまま提督さんをジーッと見て説明を求めてみたけど、それは全く伝わらない。
私は諦めて尋ねてみることにした。

「好ましいから婚約は継続すると……」

「そう!」

あ、わかってくれた??みたいな顔したけど、違うからな。

「これからも君はオレの婚約者だと言うことでお願いしたい。それでだな、提案というのはここからなんだ」

嘘ぉ………
今までの結構シリアスな話が前振りだなんて!!
その提案聞きたくナーイ!
なんて、私の頭の中などまるで知らない提督さんは非常に機嫌良く話出した。