「ざっと10人」

ざっとで10人。ちゃんとなら何人!?
これじゃあ、住民の皆さんの刺々しい視線もわかるわ。
お嬢様、ほんと、やりすぎ……。

「でも、男の方もそれでいいなんておかしいですね?好きなら普通独り占めしたいと思いませんか?」

逆ハーレムもお嬢様にとってはいいけど、男の方にとっては苦痛だと思うんだけど?

「セリは可愛いなぁ、私の巫女はピュアだよ、ピュア!なぁ、冬島さん、君もそう思うだろ?」

「ええとても。セリさんはとてもお可愛らしい。その汚れていないところがそそります」

何言ってんの!?
フレディはおいといて、少尉さんまで変態っぽいよ!?
この二人、見かけはとても美しいのに中身は残念な人達なのかなー……。

「いや、あの、質問に答えて下さいよ」

本当は、さっきの質問の答えなんかどうでもいい。
とりあえずこの妙な雰囲気を打破したいだけ!
ふふふと、意味深な笑みを浮かべたままのフレディは私を見て言った。

「どこの船でも女性は少ないからね。ある程度どんな女性でもモテます。あの女に関しては、それに鷹人……提督の婚約者という付加価値がつくんだよ。これは戦艦島という閉塞した空間において、退屈している男達の競争心を煽る!男なら!そんな美しい高嶺の花を手に入れて、更には自分の子供を孕ませたいという本能が………ゲフッ」

少尉さんのスナップの効いた拳が、フレディの鳩尾をヒットした。
まぁ、ゲスなことを言ったから当然ですけど。

「下品だ。セリさんの前でそれは言い過ぎです」

少尉さんは踞って悶絶しているフレディにギロリと睨みをきかせた。

「うぉ………ぉ……私は……男というもののダークサイドを……セリにちゃんと伝えなければと思っただけで……ぐっ……」

「言葉を選んで下さい……セリさん、男というものが皆そうだとは限りませんが、おかしいのも沢山います。さっきのようなヤツとかね。気を付けるに越したことはない。まぁ、提督は違うでしょうけど」

はい。とてもありがたい講習でした。
しかーし!そんなことわかってます!!
私も島から出たことない田舎者ですけど、それなりの知識はあるんです!
経験はありませんが……。
すずなお嬢様みたいな乱れた関係は理解出来ないけど、事実としては把握出来ますよ。
一応ね。