「……あの、ですね?」

「うん」

「私、どこにも行くところがなくて」

「うん」

「知り合いもいないし」

「もう、いるだろう?みんなのことが嫌いか?」

「そんなこと!!大好きですよ!でも、私、騙してたんですが……」

「誰も気にしない。セリが好きだからな」

「いいんでしょうか?」

「ん?」

「私、この那由多でみんなと居て、一緒に生活して……提督さんを好きになっても……」

思わず口走ってしまったけど、やっぱり提督さんはそれを聞き逃してはくれない。
さっき見た、可愛らしい笑顔で恥ずかしそうに頷くと、直後、加減を知らないその腕でぎゅうぎゅうと私を抱き締めた。
素直に背中に腕を回す。
すると力は更にきつくなり、たまらず提督さんの肩に顔を乗せ呼吸をした。
ぷはー……と、大きく息を吐いたとき、すぐ側で見つめる視線に気付く。
…………………………げぇ!!
フレディ、ガン見じゃん!

「提督さんっ!!フレディがっ!!フレディに見られてますよ!!」

「放っておけ、見せているんだ」

み?見せて?いる?

「そろそろちゃんとしておかなくてはな。セリが誰のものなのかを、きっちりはっきりわからせないといけない。フレディだけでなく、全世界に向かって!」

スケールでかいな!!
全世界もそんなこと言われても困るわ!
いらない情報を発信しないで下さいよ!!