「なんで?」

脳が許容量をオーバーした私。
脳内の言葉がとうとう漏れた。
そしてその言葉を投げ掛けられた提督さんは、カーーッと一瞬で顔が真っ赤になり、表情も固まる。

「なんでですか?」

漏れ出すと止まらない。
きっとデリケートな問題だろうなと思うけど、私の脳は明確な答えを今、欲している!

提督さんはスゥッと深呼吸をして、じっと私を見つめ、そして、言った。

「オレは………セリがずっと好きだった」

「何度も言った。好ましい、愛しい、それは……桜庭セリに対するものだ」

「初めてその目に見つめられてからずっと……ずっと好きだった」

提督さんは、少しづつ時間をかけながら大切そうにそう言った。

「提督さんは………すずなお嬢様のことが好きなのではなくて……?」

だから、そう言ったじゃない?
さっき、提督さんは一生懸命そう言ったじゃない!?
でも、私はもう一度確認をとりたかった。

巫女として、一生一人で生きて行くのだと思っていた。
島から出ずに一人で死んでいくのだと。
当然、愛だの恋だのなんて関係ない。
どこか違う世界のものだった。
こんな風に誰かに……強く好きだって言われる日が来るなんて思わなかったから……。

「セリが好きだ」