いや、問題大有りですが?
未だ、私の顎はロックされていて、泳がせた目も提督さんを上手く視界から排除できずにいる。
鋭い瞳が限界まで近付き、絡めとるように私の視線を捉えると、瞬間、目尻を下げて破顔した!
日本男子は愛情表現が乏しいなんて誰が言った!?
これ……甘々ですけどぉ!!

「まずは、君の名……」

ビーッビーッビーッビーッ……!!
提督さんの言葉を遮って、突然、けたたましい警報が鳴り響いた。
な、何?何が起こったの??
警報は不穏な気配を漂わせ、店内に動揺が走った。
そんな中、提督さんはサッと立ち上がり、少尉さんと顔を見合わせる。

「冬島!!ブリッジへ!!」

「了解しました!!」

そのまま少尉さんは振り返ることなく店を出て行った。
何が起こったかまるでわからない私は、キョロキョロと辺りを見回している。
そんな私の頭をいつものようにポンポンと優しく叩き、提督さんは言った。

「心配ないからな。皆と一緒にいればいい。すぐに終わるよ」

すぐに終わる?何が??
とは聞けなかった。
1分1秒を争う事態が起こっている。
けたたましく鳴る警報がそれを物語っていた。

「さっきの続きはまたあとで……」

そう言うと、提督さんも急いで店を出ていった。
依然として警報は鳴り続け、皆の不安を煽っている。
店内のりょうくんパパとママは急いで火を消し、御姉様と大原さんは、子供達やママさん達と固まってしゃがみこむ。
訳がわかならい私の元には、フレディが来て状況を説明してくれた。