「私のレベルはどれくらいでしょう?」

と、軽い疑問を口に出してみた。
すると、提督さんは何かを考え込むように腕組をし、そのまま黙って動かない。
あれ?なんか難しいこと言ったかな?

「……君の立場による。例えば、今のままだと、レベル3といったところだな。レベル3だと艦内の開けられる扉の数も少ない」

開けられる扉!?レベルがそんなものに関係してたとは!?

「ちなみに15才以下の子供達は一律レベル1。危ない場所にはいけないようになっているんだよ」

「へぇ!すごい仕組みです!セキュリティ対策万全ですね!」

「セキュリティ?……ああ、まぁな。で、続きだが……」

「はい」

「君の立場が、今の婚約者から妻になったら」

つまー!?

「レベルは5に上がる」

「え?何でですか??」

この際妻というワードには触れない。
昂るから!!

「簡単にいうと艦内での信頼度が上がると言うことだ。レベル5になれば艦内の重要な扉とかも開けることが出来る。だが逆にそれなりの責任を負うことにもなるが」

艦内での信頼度?
はて、そんなものすずなお嬢様にあっただろうか??
いやそれよりも、すずなお嬢様にそんな権限持たしちゃ駄目でしょ??
あ………まさか、それでフレディも少尉さんもすずなお嬢様を追い出そうと?
ビッチ云々もあるけど、提督さんの妻として、ひいては那由多の最高責任者の妻として相応しくないから?
と、いろんなことを考えてみたけど、それが全て無駄なことに気付き考えるのを止めた。

『婚約者(偽)の桜庭セリは提督さんの妻にならない』

という事実がある以上、艦内の信頼度やレベルなんて関係ないのだから。
ふいに黙りこんだ私の反応を、少し不思議そうに見た提督さん。
だけど、特に何も尋ねずエレベーター内は奇妙な雰囲気に包まれた。