身に余る賛辞に辟易していると、本部内から審査員が出てくるのが見えた。
審査が終わったのかな?
そう思った時、御姉様の声が大きく響いた。

「皆さんお待たせしました!結果発表の時間です!!……外にいる人ー?席について下さい」

それを聞いて、お遊戯室の外で談笑していた人達が、ぞろぞろと入ってきた。
5才組もその中にいる。
彼らは、私を見つけるとぶんぶんと小さな手を振り「頑張ってー」と口々に叫んでいた。
「頑張るよー」と、手を振り返そうとした私は……未だガッチリと掴まれたままの両手に気付いた。
提督さん、いつまでこうしているつもり!?
私何も出来ないじゃない!!

「提督さん、あの手を……」

「ん?」

提督さんは素敵な笑顔を崩さない。
そして、手も離さない。

「結果発表がありますので……そろそろ前に?いかないと??」

「ああ。うん」

提督さんはまだ素敵な笑顔を崩さない。
そして!!まだ手を離さないっ!!

「あの、手を離して欲しいんですけど……」

「…………はぁ……離したくない……」

何ですって!!
今度は何を拗らせたんだ?ん?

「あの、ほら、御姉様がイライラして見てますから……ね?またすぐに会えますから……」

「………わかった。待ってる」

お!素直になった。
賢いワンちゃんのようですね!
ふふ、思わず「お手」と言ってしまいそう。
やっと手を離してくれた提督さんを置いて私は壇上に駆け上がり、大原さんの横に並んだ。