「ちょっと、何を……」

「黙れ!」

 その男子は小柄なのだけど、それでもやっぱり男子の力には敵わなくて、体育館の壁伝いに引かれて行き、用具置き場に入れられてしまった。そしてそこには、別の男子2人が待ち構えていた。

 扉がガシャンと閉じられ、照明が点けられたものの中は薄暗かった。

「な、何なのよ? 君達は……」

「何だろうね、先輩」

 男子達は3人とも、気味の悪い薄ら笑いを顔に浮かべている。どう考えても、私はピンチだと思う。前から陰湿な虐め、つまり体操着を隠されたり、教科書を破かれたりしていたけど、とうとうこんな事までされるなんて……

「まずは上着を脱いでよ、先輩」

「嫌よ!」

「じゃあ、俺が脱がしてやるよ」

「触らないで!」

 3人掛かりで私は体を押えられ、抵抗もむなしく上着を脱がされてしまった。

「ブラウスも脱げ」

「嫌!」

 ビリッ

 男子の一人が私のブラウスに手を掛け、乱暴に引っ張ったからボタンがはじけ、たぶんブラウスも破けたと思う。

「やめてー!」

「うるせえんだよ!」

 バシッ

 私は顔に激しい衝撃を覚え、目の前が真っ暗になってしまった。