俺は、いつの間にか幸子が神徳の事を”直哉君”と呼び、親しげにLINEのやり取りをしていた事に腹が立っていた。それと、幸子がたぶん女子どもから虐めを受け、それを神徳が庇う事で、幸子が神徳に好意を抱いているだろうという事実に。

 幸子が虐められるように仕組んだのは、他でもなく俺なのだが。

 それにしても、俺は何だってこんなにも腹が立つのだろうか。妬みに似ているが、少し違うような気がする。それが何にしろ、原因は俺の下で俺に口を塞がれ、胸を揉まれている幸子なのだが、最近はこの程度では嫌がらなくなり、むしろ感じているようにさえ見える。

 それが癪になり、俺は幸子の柔らかく、それでいてモチっと弾力のある内腿に手を差し込んだのだが、その手を幸子の手で押さえられてしまった。

「お兄ちゃん、それだけは……やめて」

 幸子に懇願され、俺は諦めた。こんなやり取りは、今回が初めてではないのだが。

 当初俺は、幸子を虐めぬき、最終的にはこの家から母親共々追い出したかったのだが、今はどうだろう。追い出すよりも、むしろ幸子を一生閉じ込め、俺だけのものにした方が、面白いような気がする。奴隷のように。