私は、たくさん並んだ色も鮮やかな服から、どれに着替えるか迷った。どれも派手というか、華やかというか、地味な私に合う服はないように思われたけど、これかなと思ったのは、濃紺のシックなワンピースだった。ワンピースって、あまり着た事はないのだけど。

　そのワンピースのビニールを剥がし、服を脱いで下着姿になった時、部屋のドアがバンッと、勢いよく開いた。びっくりしてそっちを見たら、何かの箱とかを抱えた、お兄ちゃんが立っていた。

「きゃっ」

　私は咄嗟にワンピースで体を隠したのだけど、上手く隠せてるかはわからない。さすがに、お兄ちゃんは部屋をすぐに出て行ってくれると思ったのだけど、逆にずかずかと部屋の中に入って来た。