「てかてかっ!夏休み、みんなで遊ぼうよ!」


マキマキがレジャー雑誌片手に思い出したように言った。

うなだれていた僕はうっすらとだけ目を開けて確認し、またゆっくりと閉じた。



「なんてゆーか、実に漠然とした言い方だね。」

サーコがめずらしくもっともらしいツッコミを入れる。


「マキマキはなんかやりたいこととかあるわけ?」


航太は雑誌を手に取るとペラペラとめくり始めた。


「いっぱいあるよー!海行きたいし、花火大会にも行きたいし、バーベキューもやりたいし、お祭も行きたいし、浴衣来たいし、プール行きたいし、旅行行きたいし…」


「なんか今度はすごーく現実味おびたね。」


僕は目を閉じたまま答える。


「つーかやりたいこと多すぎるだろ!」


航太がギョッとした顔でマキマキを見た。


「だからいっぱいあるよって言ったじゃん。毎日遊びたいの!」

「いや、さすがに毎日はムリだと思うケド……でも花火大会とかお祭ならあたしも行きたーいッ!」


「行こ行こ!」



………なんで、女子って花火だのお祭が好きなんだろー?