4月はあれやこれやとなれない新生活が過ぎていって
地元の冬に置いてきた人の事を考える暇なく忙しかった。

GWが終わると少し落ち着いて
実際に店頭に出る商品を教材として縫い始めた。

商品なだけに同級生の雰囲気はいくら良くても
先輩達と一緒の空間の教室はピリピリしていた。

毎日、毎日、先輩たちが泣かされていて
すごいところに入ったんだと、実感した。

5月、6月は先生は優しくても
7月に入ると少し厳しくなって行った。

「これ教えるの何回目?」
「なんで忘れるの?なんで出来ないの?」

入って3ヶ月でプロと同じように縫えっていう方が無理なのに
私はそう思いつつ、踏ん張って頑張った。

友達のみんなは夜は深夜の3時まで朝は6時から。
そんな生活が苦しくて
愚痴や不満が増えて仲良い私達は
愚痴は不満が共有されていった。

1人の愚痴はみんなの思い。
そんな感じの雰囲気になって行った。

ひとりが強行突破で7月に辞めると
続く人も辞めるプランを立て始めた。

夏休み明け、9月、10月、11月、12月を過ぎると
さいしょ13人いた新入生は7人になっていた。

高校上がりで自分のすることに責任をもつ
ということに慣れていないのに

私たちが縫っているものは商品だから
お客様が実際に着るものだからと

その環境を当たり前に求めてくる学校に
ストレスを抱えてコントロール出来なくなって

体調くずしたり、金銭面、
自分の心が壊れる前にという自己防衛から
どんどん、辞めていった。