「ほんとに?」



「ほんとです。約束は守ります」



「…わかった」



水沢先生は話を持っていくのが上手い。



前にも思ったが、私なんかでは戦う相手にもなれないのだ。



「偉いね。じゃあ気が変わらないうちに終わらせちゃいましょう」



「えっ、もう?」



「もうです。ちょっと失礼しますね」



私が受けると決めてからの先生の行動は、恐ろしく早かった。



ぐっと先生の顔が近くなる。



「怖くないからね。ゆっくり呼吸しててね」



ドキッとしないよう、気を逸らすことに必死になっている間に診察は終わっていた。



「はい、おしまいです。大丈夫です、悪くなってませんよ。来週もう一度来てもらって、結果が良ければ受診の間隔を元通りにしていきましょう」



はぁ、よかった。



少し照れ臭いけど、ちゃんとお礼、伝えたいな…



「ありがとう、ございました」



「ははっ、改まってどうしたんです?
頑張ってくれたので、疲れたんじゃないかと思います。ゆっくり休んでくださいね。お大事に」