それでも君を

「よし、じゃあ薬入れるよー」



もう針は刺さってるので、今日は痛い思いしないで済む。



「どうぞー」



なんて、余裕な返事もできちゃうのだ。



「梨央、この薬ちょっと強いから、何か変化があったらすぐ報告するんだぞ」



えっ、なに?そんなの聞いてない。



「変化ってなに?どうなるの?」



「んー、個人差あるから何とも言えないけど。何にも起こらないかもしれないし、例えば気持ち悪くなったり、頭痛くなったりするかもしれないよってこと」



「え、そんな薬やだ」



「梨央ちゃんはほんとイヤイヤばっかりだな」



苦笑してたかと思ったら、急に真剣な表情でもう一言。



「症状出たら絶対隠すなよ」



颯くん怖いっ。


さすが私のことよく分かってる。