それでも君を

しかもすぐさま聴診器に手を伸ばす颯くん。



「怖かったら目閉じてな」



えぇー、拒否する暇すら与えてくれない。



「んん、やだっ…」



じっとしていられなくて身を捩る。



「こら、静かに。終わんないだろ」



あー、怒られた。



「もう一回深呼吸しようか。……そうそう。はい、いいよ。終わり」



聴診の終わりと共に体温計も鳴り響いて計測終了を告げる。



颯くんがすぐさま取り出して確かめる。



「相変わらずだな」



もう何度でもいいやと、少し投げやりな気分になる。



早く治んないかな…