それでも君を

「はい、終わったー。次、麻酔するからね〜」



「颯くぅーん…」



今日は真ちゃんがいないし、望みは限りなく薄いが、泣きつけるのはもう颯くんのみだ。



「頑張るしかないな」



よしよし、と慰めてくれるが、逃がしてはくれないらしい。



「先言っとくけど、炎症おきてるところに麻酔するの痛いからな。でもしなかったらもっと痛い。まぁ、分かってると思うけど」



追い討ちをかけるような、颯くんからの説明に血の気が引く。



「やだぁ…」