それでも君を

「水沢、気分どう?」



真ちゃんが目を開けたのを確認して、颯くんが声をかける。



「…良い、とは…言えない、です」



「受け答えは問題なさそうだな。梨央来てくれたから、今日はもう一緒に帰りな」



「梨央…?」



私のことを視線で捉えて、不思議そうな声を出す。



なんでいるの?って言いたそうな顔だ。