それでも君を

「うーん…頑張ってみる」



そう言って立ち上がり歩いてみるけれど、途端に息切れに見舞われ、両膝に手を置いて前屈みに立ち止まってしまう。



どうしてなのだろう?



ほんとに動けない…



「…無理そうだね。あっ、実習室にある車椅子使う!?」



え、それめっちゃ目立つじゃん…



「んー、いや、大丈夫。はぁ…」



香織が考えてくれてるのはすごくありがたいけれど、あんまり大事になるのは嫌だ。



「でもっ…あ!じゃあ、こうしよう!」



香織がまた何か思い付いたらしい。