それでも君を

「ん?昨日吐いたの?あ、ほんとだ、抗生剤止まってる…」



電子カルテを確認しながら、独り言のように颯くんが声を発する。



昨日の出来事を水沢先生が書き込んだのだろう。



それを読んで、大体の流れを颯くんは理解したようだった。



「…なるほど。
とりあえず、咳辛そうだからベッド少し起こそう」



ベッドを少し起こした後、楽な姿勢を保てるよう颯くんが整えてくれる。



「この方が少し楽だろ?」



「…うん、ゴホッ、そうかも」



「よし。じゃあもうちょっと診察頑張るぞ」