それでも君を

点滴を繋いで速度を確かめている水沢先生をこっそりと見つめる。



入院は嫌だけど、水沢先生と会えるのだけはちょっと嬉しいななんて、そんなことを密かに思ったりする。



見つめられていることに気付いた先生が、こちらをチラッと見た。



「ん?」



「ううん、なんでもない」



「辛いところとかあれば言ってね」



「うん、大丈夫」



仕事モードな先生久しぶりだなぁ。



「じゃあ、何かあったらいつでも」



点滴を確かめ終わると、すぐに部屋からいなくなってしまい、寂しさが込み上げてくる。



行っちゃった…

 

先生、忙しそうだったな…



仕事の邪魔はしたくないからね。



やることもない私は大人しく寝るしかないよね。