しっかりと握っていた箒の先には仔猫がミャウミャウ啼いてるけどいたって元気そうだ。


助かったんだ、良かった。


確かにさっきまでいた木のそばの地面に着地していた。


だけど、この地面ってなんだか。


地面にしては柔らかいその感触。


私は振り返って愕然としたんだ。


私の下敷きになっていたのは、苦痛に顔を歪める北原くんだった。


「・・・っ」


右手をおさえ、顔面蒼白で脂汗をかいている。


嘘、まさか、こんなことって。


彼が2階の窓から落ちてきた私を受け止めてくれたから、助かったんだ。


そのせいで、彼は全身に凄いダメージを受けているみたいだった。


どうしょう、私のせいだ。どうしょう。


彼は背中も強く打ったのか、すぐには起き上がれないみたいで、苦悶の色を浮かべている。