学校一クールなキミのお世話係になりました

「危ない、よせ」


彼が叫びながら、木から飛びおりる。


全てがスローモーションみたいに見えたけど、一瞬の出来事だった。


仔猫が、動くからまた箒のバランスが崩れる。


支えようとしてまた、私の足が一歩前へ踏み出してしまう。


落ちる。


窓のヘリに足をかけていたはずの私の足元には何もなくなってしまい虚しく空を蹴る。


真っ逆さまに、落ちていく時に箒を手放さないようにするだけで精一杯だった。


ガツンと強い衝撃を背中に感じてギュッと目を閉じた。


落ちる瞬間には恐怖しか感じなかった。背筋が凍りつくくらいに落下する感覚は不快なもので。


だけど。


あれどうして?


ちょっとだけ背中や腰が痛いけど、大した怪我はしていない。