学校一クールなキミのお世話係になりました


「おう、待ってろ。今日は一緒に帰るか」


「帰る、帰るから早くしてったら」


「おまえさ、俺が結構近所に住んでるって知ってた?」


「え。知らないよ。そんな話は後でいいから、早く来て」


「急かすなって」


言いながら、彼が木に登りかけたその時。


またもや、仔猫の乗っている枝がグラグラ揺れて。

そしてなんと、仔猫が。


「あ、猫ちゃん」


仔猫は、素早くジャンプして私の差し出した箒に移動してきたのだ。


もしかしたら、仔猫は木の下から登ってくる北原くんよりも私を選んだのかもしれないけど。


いきなりだったから、仔猫の体重でバランスを崩して、箒を落っことしそうになり慌てて身を乗り出した。


それでも足りなくて、窓のヘリに足をかけた。