ゆっくりとこちらへ体を傾けてきた彼の綺麗な顔が間近にきたから、そっと目を閉じてはじめてのキスをした。


北原くん、これからもこの手を離さないでね。


私はいつまでもあなたの右手でいたい。


北原くんの一部になりたいって思えるくらいに大好きなんだよ。


「私ずっと北原くんの右手でいるからね」


びっくりしたように目を見開く彼は、ちょっと瞳を揺らせてからこう答えた。


「ご自由にどうぞ。そしたら俺もアンコの右手になる、これからはもっと俺にも頑張らせて」


「っ、北原くん」


そんな甘い言葉をそんなにクールに言われたら、もうお手上げ。


体中から湯気がでそうなほど熱くなってる私の右手に彼は優しく口づけする。


まるで心からの愛の誓いみたいに。


こうして私は、クールな北原くんの右手になったのでした。







(f i n)