学校一クールなキミのお世話係になりました

北原くんが、呆れたように私を見上げている。


だけど、仔猫の真下あたりに立っているから、もしかしたら落ちてきた時のためにスタンバイしてくれてるんだろうか。


「うるさいなあ、ちょっと黙ってて」


「だから、意地はってないで、俺にお願いしろっての」


「なによ、変なこと要求する気でしょ、このスケベ」


まさか、女子に人気ナンバー1の彼にこんな悪態をつく日が来るなんて。


「なんだ、もっとおとなしい子だと思ってたのに、とんだお転婆だな」


「もうっ、黙ってよ」


「意地張るなよ」


彼は片足を木にかけて、木に登る仕草をする。


うっ、悔しいけど背も高いし手足も長い。彼ならきっと簡単に登ってこれそうだ。