学校一クールなキミのお世話係になりました

ビンゴ、ここだ。


ここからなら、なんとかあの枝に届きそう。


よーし、とはりきって教室の窓から顔を出すと、慎重に箒を枝に伸ばした。


だけど仔猫が、私に気がついてちょっとうろたえている。


「大丈夫だよ、仔猫ちゃん。助けてあげるからね。この箒につかまって」


仔猫はキョロキョロあたりを見回して迷っているみたいでなかなか、箒に乗ってくれない。


「大丈夫、私を信じて」


箒を思い切って、仔猫のそばに寄せようとして窓から外へ身を乗り出した。


でも、仔猫は動かない。どうしてだろう。怖いのかな。


「おーい、そんなことしても無駄だって。木に登って無理にでも枝から引き離さないと、そいつおびえて動けないんじゃないか」