学校一クールなキミのお世話係になりました

「月島さん、もう簡単に俺に手を握らせたらダメだよ」


「え？」


「いや、北原くんが羨ましくなって。こんなに月島さんに思われてるなんて。ごめん、こんな時に未練がましいよね」


自嘲気味に笑う彼が男の人だということを改めて感じて、どんな顔をしていいかわからない。


「もう北原くんのものだから。だけど彼が君を悲しませたら今度こそ俺が奪いにいくから」


「あ」


穏やかな一ノ瀬くんから、こんな強い言い方をされたらさすがに、ドキッとしてしまう。


だけど、表情はいつにも増して優しくて怖いとは思えない。


すぐに明るく笑ってくれたので安心して微笑みかえした。


「一ノ瀬くん、あの私は」


「大丈夫だよ、もうわかってるから。だけど月島さんがそんな浮かない顔をしてたら心配なんだ。だから、今はちゃんと協力する」


「一ノ瀬くん」