学校一クールなキミのお世話係になりました




「怪我が治ったら、2人でどこかへ遊びに行こうな」

北原君が、歩く速度を私に合わせてくれながらこれからのことを提案してくれた。


保健室からそそくさと出てきた私達は一緒に家路についていた。


私はジャージをブラウスの上からはおって前のジッパーを上まであげた変な格好だったけど彼の隣をドキドキしながら歩いていく。


いつもとは違う恋人繋ぎで手を繋いでいた。


外はもう、夕陽が沈みかけていて薄暗くなり少し蒸し暑い。


「うん、行きたい。でもどうして、怪我が治ってから?」


私の方はすぐにでもデートとかしたいけど。
彼はどうして怪我が治ってからなんて言うのかな。


「まあこんな怪我したままだと、ロクなデートもできないからな」


「そんなの気にしなくていいよ」


彼は小さく首を横にふって、穏やかな笑みをこぼす。


「それにいろいろと清算したいこともあるし。そういうのがすべてクリアになってからじゃないとアンコに選んでもらう資格がない気がするんだ」


「資格だなんて」