学校一クールなキミのお世話係になりました

「木に登って降りられなくなったのかな。助けてあげないと」


「でも、仮にも猫なんだから大丈夫だろ」


「まだあんなに小さいんだもん。飛び降りたって上手に着地できるかどうか」


チラと彼の方を見たけど、面倒くさそうに後頭部をかきながら憮然としている。


どうしょう、この人全然頼れそうにないし。


誰か他の人を呼んでくる?でも間に合わなくなりそう。


「あ、あの北原くん」


「やだね」


「まだ何も言ってないよ」


「どうせ木に登って助けてやれとか言うんだろ?」


まあ、その通りなんだけど。北原くんにダメ元でお願いしようとしたけど、当然のように却下された。


「そんなに助けてやりたきゃ、自分で木に昇れよ。ここで見ててやるから」