「今日初めて近くでまともに見たけど、普通じゃん。」


腰に手をやり偉そうに私を見下ろしながら意地悪く言う彼。


「どうせ、私は普通だよ。北原くんなんて顔だけでしょ。中身がひどすぎる。思いやりのカケラもないんだから」


「てめっ」


「な、なによ」


「・・・」


サッと顔をそらせる彼は、ちょっとだけ耳が赤い。


「あいつと同じこと言ってんじゃねーよ」


低い声で吐き捨てるように言われた。


彼は拳をグッと握り下唇を噛んでいる。


何かを我慢するような、辛そうな顔をして。


やだ、嘘、私ったら言いすぎたかも。


あんまり腹が立ったから、余計なことを言っちゃった。


だけど、一方的に嫌味を言われるのが耐えられなかったんだ。


でも、それでも、なんだろう。