きっと遠藤くんは友達思いな人だから北原くんの印象を悪くしないように気を使ってくれたんだろうと思った。


「部活頑張って」


「おう、サンキュー月島さん」


明るい遠藤くんの笑顔はすがすがしい。


彼に手を振ると、中庭のお掃除に取り掛かった。


北原くんの代わりに掃除当番やら委員会やら、その他思いつく限りのお手伝いをこっそりやらせてもらっていた。


北原くんには、絶対知られないように遠藤くんにも協力してもらいながら。


直接には彼のそばで手伝わせてもらえなくなってしまったので、自己満足とは思いつつも陰ながら彼を助けたかった。


もう何日もまともに、彼と話していないので話し方を忘れてしまったような気さえする。