嘲笑するクラスメイト達の声が耳に入ってきてドキッとした。


「やだっ、なにあれ恥ずかしい」
「やっぱり好きなんじゃん」


気づけば、北原くんも椅子から立ち上がり口を開きかけていた。


彼がかすかに動揺しているように目を泳がせるから、驚いた私は咄嗟に俯いてしまった。


恥ずかしくて恥ずかしくて、彼の方を見れなくて私は駆け出していた。
もう1秒だってこの場にいられない、いたくない。


教室の前の扉から出て、下を向きながら廊下を走った。