学校一クールなキミのお世話係になりました

ロビーから漏れる明かりで照らされている彼の顔を見た途端、わかった。


今日という大切な日に、どれほど私が彼に会いたかったかがようやくわかった。


誕生日の今日中に彼にしてあげたいことがたくさんあったんだって思った。


「行こう、晩御飯食べて。あとお風呂も、
あ、まずは着替えしなきゃ」


1人テンションが上がり張り切る私。


「・・・」


微妙な顔をして黙っている彼を部屋まで引っ張って行った。


無意識に彼の左手を握っていた。


「アンコ、手離して」


「あ、ごめん」


玄関に入った途端に、低い声で言われ慌てて繋いでいた手を離した。


あれ?どうしてかな。


北原くん、自分からは、気軽に手を繋いでくるくせに今日は、嫌だったんだろうか。


だけど、気にせずリビングへと進んだ。


さっき買ってきたコンビニの袋をキッチンに置いて振り返る。