学校一クールなキミのお世話係になりました

マンション内の友人の部屋に行くということで、母は渋々許してくれた。


深夜だから、人通りもなくて心細かったけど、夢中で走っていた。


近所のコンビニに立ち寄り、買い物をしてから、彼のマンションへと急いだ。


タワーマンションの幅広いロビーの前で、立ちつくしている背の高い人影を見て走って近づいた。


「北原くん」


「わっ」


あんまり勢い良く走り寄ったので、彼にぶつかりそうになった。


彼はまだ制服姿のままで着替えてもいないみたいだ。


「ごめん、北原くん、わざわざ迎えに降りてきてくれたんだね」


「アンコ、こんな遅い時間に出歩いたら危ないだろ」


「ごめん、けど大丈夫だよ」


彼はちょっと怒ってるような表情だったけど、心配してくれていたみたいだった。


たったそれだけなのに、胸がいっぱいになってしまう。