学校一クールなキミのお世話係になりました

だけど、彼がお母さんに抱いてる罪悪感が少しでも軽くなればいいなと思った。


彼がそのことで、傷ついていないわけがないから。


だって、北原くんは本当は優しい人だから。


さっき一瞬だけ、私の頭の中に浮かんだ彼の表情は、なんだったんだろう。


それは、切なくなるくらいの彼の絶望感をはらんだ表情だった。


どうして、彼の思いが一瞬だけ見えたような気がしたんだろう。


腕に触れた時に、彼を知りたいと強く願ったから？

まさか。気のせいだよね。






食事が終わって後片付けが終わり、家路についたのは7時くらいだった。


私はいつも遠慮して大丈夫だからと、断るのだけど、彼は心配して毎回私の家まで送ってくれる。


そういう気づかいのある優しいところを知ると、やはり嬉しくなってしまう。