学校一クールなキミのお世話係になりました

「アンコ?」


「それに、家族なんだもん。たまには言いたい事言って傷つけちゃう時もあるよ。
だけど、言い過ぎたって思ったら、後からでもちゃんと謝って何度でも話し合ったらいいのかなって。うまく言えないけど、北原くんなら大丈夫って思うから。
ごめん、考えがまとまらなくて偉そうなこと言ってるよね」


上手く伝えられないのがもどかしくて、焦ってしまう私の手を彼は優しく握った。


そして俯き加減に「そうだな」って小さく呟いた。

「俺いつも本当に言いたいことって、上手く言えないんだ。
結果が、悪い方にばかり考えてしまうからかもしれない。
けど、やる前から諦めてちゃいけないよな」


そう言った彼の耳がうっすらと赤いような気がした。


「北原くん、ごめんっ、私、何にも知らないくせに余計なことを言ってるよね」


「そんなことないよ」


彼が小さく微笑してくれたから、ホッとした。


彼の優しい目を見たら、自然と笑みがこぼれた。


「あ、じゃあ私、ぬいぐるみを修理しておくから。今日持って帰ってもいい?」


「いいよ。ありがと。よろしくな」


「う、うん。綺麗に治してあげるね。妹さんに次に見せるとき喜んでもらえるように」


「ああ」


私も少し照れくさくなり、誤魔化すようにエヘへって無意味に笑った。