らしい。 俺からすると、 出会ったばっかりの記憶なんてなくて。 俺の記憶が始まる前から、 かすみは俺の少し前を歩いていた。 だから、かすみのいない世界なんて考えられなかった。 かすみは昔っから俺の一部だったのかもしれない。 それにさえ気づかなかった俺は あの時、桜が舞っていたあの時、 かすみを失ったと思ったあの時、 自分を見失ってしまった。