「れおんくん」 「かすみちゃん」 俺たちはかつて、そう呼び合う仲だった。 一つ違いだからか、『幼なじみ』というよりも本当の姉弟のように育って。 「れおんくん。よろしくね」 初めて会ったその日、 小さなツボミをつけた桜並木の下で、 かすみは俺の手を引いた。