その笑顔が好きで
これからも
こんな風に笑わせてあげたいなと思った。
10月になって
君が事故にあった。
対したことはなかったけど
俺は君を失いたくなくて
君を抱いた。
嬉しかった。
俺の初めてが君で────。
君の初めてが俺で─────。
必死で俺を求めてくる君はそれまでより1番綺麗だった。
次の日。衝撃的だった。
起きたら「誰?」なんて言うんだもん。
笑っちゃうよ。
慌てて病院へ行ったら記憶喪失だって。
信じられなかった。
高校の友達も、
自分の両親も、
家の近所の人だって覚えてるのに、
俺のことだけ忘れてる。
俺はその日、泣いた。
次の日も。その次の日も。
君が俺を思い出すことはなかった。
それでもやっぱり時が経てば君は俺を好きになってくれて。
俺も君がもう一度好きだと言ってくれたことが嬉しくて。
3月の終わり。
君をまた抱いた。

