結局あのあと二人ともどうしたらいいかわからなくてご飯も食べずに解散してしまった。


あんなに必死になってくれたことが、好きって言ってくれたことが、愛してくれたことが嬉しくて、つい気持ちを伝えてしまった。


ホテルに帰って後悔。


そもそも全て仕組しくまれたことだって知ったらきっと今のままではいられない。
しかも仕組んだ張本人は、作者はあたしだから。


彼から明日ちゃんと話そうってメールが来た。明日は本当のことを話すべきか考えていたら、河合さんから電話が来た。


「載っちゃったわよ。FRIDAY。」


「えっ?」


「やっぱり思惑通りだったわ。プライベートでも恋人!?だって。やったじゃない。これで、制作発表も注目の的よ。」


「河合さん、あたし明日、朔夜に本当のこと話そうと思ってる。」


「えっ?なんで?」


-あたしは今日のことも含めて今までのことを話した-


「彼が好きなったのは“かなえ”で、“あたし”じゃない。これ以上隠しておけないよ。」


「わかったわ。でも、彼だけにしなさいね。今更あなたが作者だってわかったらみんなも困惑するわ。」


「そうですね。」


「でも彼とのことは時間かけて築いてきたものがあるんじゃないの?きっと大丈夫よ!明日は朝からマスコミを巻かなきゃいけないし大変だから覚悟しておいてね!」


明日はいろんな意味で勝負の日になりそうです。