その後、撮影は無事に終了。
ベッドの中での出来事は、あたしと彼以外誰も気づかなかった。


「かなえ。飯食いに行こう。」


「はーい。」


顔合わせの時から、何度も聞いてきた会話に誰も違和感を感じることなく、


「本当に仲良いですね。」


なんて、言われてしまった。
でも、あたしは何を言われるか心配で笑顔で答える余裕がなかった。


とりあえず車に乗ると、


「ごめんっ。本当にすまんかった。」突然彼に謝られた。


「それはこっちのセリフ。あんなことして、引いちゃったでしょ?」


「全然そんなことない!答えてくれると思わへんかってん。
 それでもう止まらなくて・・・。あんなん初めてやで。今まで一回もないからな!」


「そんなに必死にならなくても・・・。」


「だって、引いたやろ?一瞬止まったやん!」


「違うよ。びっくりしただけ!嬉しかったもん。」


「ホンマに?」


「そうだよ。じゃなかったら、いくらなんでも止めるでしょ?」


「そうなん?もう俺わかれへん。動揺しまくりやもん。」


「ふふっ。」


「何がおかしいねん。」


「もしかして、あたしのこと好き?」


「当たり前やろ!めちゃめちゃ好きや。カラダの相性も良すぎてもっと好きなったわ!」


「そうなんだ。((笑))」


「何がおかしいねん!」


「ごめんx2.くだらないことで悩んでたなぁって思っただけ。
 あたしも好きだよ。」