次に君とぼくが会ったのは、夏ように暑い日のこと
君は、目の前に広がる広い草原で小さな女の子とじゃれていた
君を見つめていると、そばにいた女の子がこちらを指さして何かを言ってきた
「ねぇね、お兄ちゃんがこっち見てる」
その言葉は少し遠くにいたぼくにも聞こえた
(やば...、日夏ちゃん見てたのバレた(汗))
君は振り返ると、陽射しにも負けない笑顔で、
「翔くーん!!!こっち来て一緒に遊ぼうよー!」
原っぱ中に響き渡る大声でそう言った
まったく、君のわんぱくさには散々困らされたよ

ぼくは、君がいる方にゆっくりと歩いていった
日夏が紹介してくれた子は、日夏の妹で夏愛(なつみ)と言った
夏愛はいい子で、いつも1人でお留守番していると日夏が自慢してきた
ぼくには兄弟が居なかったから、少しだけ羨ましいと思った
君と夏愛とぼくは、原っぱで時間の許す限り遊んだ
最初はぼくの事を警戒していた夏愛もすっかりぼくに懐いていた

夕方、夕焼け小焼けが鳴り響く原っぱを後にしてぼくたちは小さな小道を歩いていた
ぼくの背中には夏愛が居た
「ごめんね、翔くん重たいでしょ?夏愛全然起きなくて、いつもはこんなじゃないんだけど...」
「いいよ、気にしなくて
夏愛ちゃんも楽しんでたし、ぼくも楽しかったし」
本当にぼくたちは出会ってまだ2回しか会っていないのにこんなに仲がいいのかと思うくらい、今日1日だけで仲良くなった
前の場所で、友達ができなかったのは何故だろうと少しだけ考えてしまった
「翔くんさ、また時間がある時こうやって遊んでくれないかな?夏愛も喜ぶと思うし」
日夏からの提案にぼくは少し迷った
しかし、そんな迷いを振り払い
「うん、いいよ
また今度3人で遊ぼう」
そう約束してしまった
その日は、赤い太陽が空を怖いくらいに赤く染め上げていた