誤解を解きたい男であったが、聞く耳もたない二人にどうしたものかと周囲を見渡した。

 「・・・えーと…とりあえず丸腰では怖いので着衣を許可してください」

 「許す」

 やり場のない視線に限界を感じたツナミの許可を得て、二人には目を閉じてもらえないかの懇願にアシタは断固として応じなかった。

 「逃げられては困りますので」

 あわよくばの期待を見透かされ舌打ちしたい気持ちをこらえる男だった。

 「お見苦しいものをお見せするわけにわ!」

 「哺乳類の雄の裸体をみたとて感じるものは皆無なので悪しからず」

 あまりにも正直な興味ゼロ発言に渋々水から上がり、茂みに隠していた衣類を着ることになった。

 「・・・で?」

 腕組みしたツナミは攻め立てるように、正座し着衣を済ませた男を見下ろした。

 「いつから隠れていたのですか?」

 アシタの質問に観念したか、俯いて男がため息を吐く。