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「…ご無理はよくありません」

 白い透明なペンダントを見つめ、干上がった地に座り込む女がいた。

 余程大切なものなのか、ペンダントは土で台座の様なものを作りおかれていた。

 苦痛の表情を浮かべる女の背後で、困り顔のもう一人の女が制止の声を上げる。

 「今何分くらいたった?!」

 「二十秒です。ツナミ様」

 その声に絶望の表情で顔を上げたツナミがペンダントへ伸ばした手を止めたのは、視線の先の小さな池から水音がしたからだった。

 ちゃぽんと静かな音でも、動きを止めるには十分であった。

 「いつから…だれ?!」

 警戒心から思っていたより大きな声が出た事を自分でも驚きながら、慌ててペンダントを握りしめ立ち上がった。

 先程までツナミの背後に立っていた女が、彼女を守るべく前へ立つ。

 「…あのぉ…すいません」

 水面から顔を出したのは、見覚えのない男だった。