梨華の問いに、大きく頷く秀哉。
「ありがと。ありがとう……っ」
梨華はそう言って、嬉しそうに涙を流した。
私の目の前で繋がった二人の手が、さっきよりも強く繋がれている。
その光景を見ていたら、胸の奥にズキンと痛みが走った。
「なんかビックリさせられっぱなしだけど。
とりあえず、良かったんだよな?
梨華は子供を産むことが出来るし、秀哉は長年の片想いが実ったんだろう?」
「そ、そうよね。めでたいわよね。
だったら早速、乾杯しましょうよ。
今夜はお祝いよ!
あ、でも、梨華は飲んじゃダメよ。
烏龍茶でも飲んでなさい」
郁未にそう言われて、梨華ははにかみながら「はい」と小さく返事をした。
「菜穂ー。ビール4つと烏龍茶を頼んでくれる? 菜穂?」
私の目の前にあるタッチパネル。
だけど、私はそれに手を伸ばす気力なんてなかった。
梨華と秀哉が結婚する。
そんな日が来るなんて、思いもしていなかった。
恋人がいる男性を好きになる梨華。
そんな梨華を思い続ける秀哉。
そして、秀哉を好きな私。
もう5年以上も、この一方通行が続いていた。
もういい加減、この一方通行を終わらせたいって。
そう思っていたけれど。
まさか、こんな形で終わりを迎えるなんて。
そんなの。
納得なんて出来るはずがない……!
「ありがと。ありがとう……っ」
梨華はそう言って、嬉しそうに涙を流した。
私の目の前で繋がった二人の手が、さっきよりも強く繋がれている。
その光景を見ていたら、胸の奥にズキンと痛みが走った。
「なんかビックリさせられっぱなしだけど。
とりあえず、良かったんだよな?
梨華は子供を産むことが出来るし、秀哉は長年の片想いが実ったんだろう?」
「そ、そうよね。めでたいわよね。
だったら早速、乾杯しましょうよ。
今夜はお祝いよ!
あ、でも、梨華は飲んじゃダメよ。
烏龍茶でも飲んでなさい」
郁未にそう言われて、梨華ははにかみながら「はい」と小さく返事をした。
「菜穂ー。ビール4つと烏龍茶を頼んでくれる? 菜穂?」
私の目の前にあるタッチパネル。
だけど、私はそれに手を伸ばす気力なんてなかった。
梨華と秀哉が結婚する。
そんな日が来るなんて、思いもしていなかった。
恋人がいる男性を好きになる梨華。
そんな梨華を思い続ける秀哉。
そして、秀哉を好きな私。
もう5年以上も、この一方通行が続いていた。
もういい加減、この一方通行を終わらせたいって。
そう思っていたけれど。
まさか、こんな形で終わりを迎えるなんて。
そんなの。
納得なんて出来るはずがない……!



