「なんでなんだろうな……」
それはこの店に入って、20分くらい経った頃だった。
それまで静かに飲んでいた秀哉が、ボソッと呟いた。
「どうしてよりによって既婚者なんだよ……」
秀哉の声は、悲しみに満ちていた。
「普通に恋人が出来たんなら、ちゃんと祝福出来た。
でも……。
不倫だったら、絶対に認めることなんか出来ない。
どうにかして、やめさせたいって思う」
それは私も同じ気持ちだけど。
さっきのあの梨華の顔は、もうすっかり覚悟を決めている感じだった。
あれはきっと、誰が何を言ったところで聞く耳を持たないだろう。
「どうしていつも梨華はああなんだろう……」
「うん……」
「どうして不毛な恋ばっかりするんだろう……」
「うん……。そうだね……」
「そんなんだから、俺は……」
秀哉は……。
梨華のことを、
ずっとあきらめられない。
それはこの店に入って、20分くらい経った頃だった。
それまで静かに飲んでいた秀哉が、ボソッと呟いた。
「どうしてよりによって既婚者なんだよ……」
秀哉の声は、悲しみに満ちていた。
「普通に恋人が出来たんなら、ちゃんと祝福出来た。
でも……。
不倫だったら、絶対に認めることなんか出来ない。
どうにかして、やめさせたいって思う」
それは私も同じ気持ちだけど。
さっきのあの梨華の顔は、もうすっかり覚悟を決めている感じだった。
あれはきっと、誰が何を言ったところで聞く耳を持たないだろう。
「どうしていつも梨華はああなんだろう……」
「うん……」
「どうして不毛な恋ばっかりするんだろう……」
「うん……。そうだね……」
「そんなんだから、俺は……」
秀哉は……。
梨華のことを、
ずっとあきらめられない。



