好きだから応じたとは絶対に言えないし、こう言うしか他に思いつかなかった。
「菜穂は俺とキスするの、嫌じゃないんだ」
なぜか少し嬉しそうな秀哉。
それがなんだか恥ずかしくて、ふいっと秀哉から視線を逸らした。
そうしたら秀哉が、まだ繋がっている手に力を込めた。
「良かった……。菜穂に嫌われたかと思った」
「なっ、嫌いになんかならないよ」
なるわけじゃないじゃない。
なれたら、もうとっくの昔にこの恋をあきらめてる。
「もうこんなことはないようにするから」
「ははは……」
そうハッキリと宣言されるのも、なんだか複雑なんだけど。
「うーん、でも……。
絶対にしないとは、ちょっと言い切れないかな」
「は?」
「うん、やっぱ約束は出来ない。
だから、先に謝っとくよ」
「はぁ~?」
思わず顔をしかめたら、クスクスと笑う秀哉。
なんだかあきれて、私も笑ってしまった。
昔から少し天然なところがある秀哉。
どうやら私はこれからも、この男に翻弄され続けるらしい。
だけど……。
前ほど胸が苦しくないのは、
二度目のキスをしたからかもしれない。
そんなことを思った6月の終わりだった。
「菜穂は俺とキスするの、嫌じゃないんだ」
なぜか少し嬉しそうな秀哉。
それがなんだか恥ずかしくて、ふいっと秀哉から視線を逸らした。
そうしたら秀哉が、まだ繋がっている手に力を込めた。
「良かった……。菜穂に嫌われたかと思った」
「なっ、嫌いになんかならないよ」
なるわけじゃないじゃない。
なれたら、もうとっくの昔にこの恋をあきらめてる。
「もうこんなことはないようにするから」
「ははは……」
そうハッキリと宣言されるのも、なんだか複雑なんだけど。
「うーん、でも……。
絶対にしないとは、ちょっと言い切れないかな」
「は?」
「うん、やっぱ約束は出来ない。
だから、先に謝っとくよ」
「はぁ~?」
思わず顔をしかめたら、クスクスと笑う秀哉。
なんだかあきれて、私も笑ってしまった。
昔から少し天然なところがある秀哉。
どうやら私はこれからも、この男に翻弄され続けるらしい。
だけど……。
前ほど胸が苦しくないのは、
二度目のキスをしたからかもしれない。
そんなことを思った6月の終わりだった。