「言えないよ……」
私は結局、臆病で卑怯者なんだ。
現状を変えるより、ラクな方を選ぶことしか出来ないんだから。
「菜穂さんが言えないなら、僕が言いましょうか?」
思わぬ崎田君の言葉に、首を横に大きく振った。
「やめて! そんなの絶対ダメだから!」
「いいえ、もう決着をつけるべきです」
ひどい。
どうしてそんな勝手なことをしようとするの?
別にこのままでもいいじゃない。
これからも今まで通り、秀哉には何も期待しないし、望みもしない。
ただ友達として、そばにいられたらそれでいい。
このまま歳を取ったとしても、絶対後悔なんかしないから。
「お願い、やめて。
じゃないと、崎田君のことを嫌いになる……!」
「菜穂さん!」
にらみ合う私と崎田君。
しばらくそうしていたけれど、突然崎田君が私の腕をガシッと掴んで自分の方へと引っ張った。
その反動でコンビニの袋が、バサッと床に落ちて。
「あ……」と思った次の瞬間。
崎田君の顔が近づいてきて。
彼の唇が、
私の唇に重なった。
私は結局、臆病で卑怯者なんだ。
現状を変えるより、ラクな方を選ぶことしか出来ないんだから。
「菜穂さんが言えないなら、僕が言いましょうか?」
思わぬ崎田君の言葉に、首を横に大きく振った。
「やめて! そんなの絶対ダメだから!」
「いいえ、もう決着をつけるべきです」
ひどい。
どうしてそんな勝手なことをしようとするの?
別にこのままでもいいじゃない。
これからも今まで通り、秀哉には何も期待しないし、望みもしない。
ただ友達として、そばにいられたらそれでいい。
このまま歳を取ったとしても、絶対後悔なんかしないから。
「お願い、やめて。
じゃないと、崎田君のことを嫌いになる……!」
「菜穂さん!」
にらみ合う私と崎田君。
しばらくそうしていたけれど、突然崎田君が私の腕をガシッと掴んで自分の方へと引っ張った。
その反動でコンビニの袋が、バサッと床に落ちて。
「あ……」と思った次の瞬間。
崎田君の顔が近づいてきて。
彼の唇が、
私の唇に重なった。