私たちの六年目

「梨華は実家で赤ちゃんを産んで、ご両親のもとで頑張って生きていくって言ってたし。

これで二人は心置きなく付き合えるのね。

っていうか、既に付き合い始めてるのよね?」


「そりゃそうだろ? つうかキスした日にもうヤッてるに決まってんだろ?」


「ちょっ、守ったら下品ね!

でも、それはそうよね。

菜穂は5年も秀哉が好きだったんだもんね。

そんな秀哉に好きだって言われたら、すぐにでも受け入れちゃうよね」


郁未と守の言葉に、黙り込んでしまう私と秀哉。


そんな私達の態度に、郁未がくしゃっと顔を歪めた。


「え……? あんた達まさか……。

まだなの?」


郁未がそう言った後、守がギョッと目を見開いた。


「は? 嘘だろ? 梨華が実家に帰ることが決まってからもう随分経つのに、まだヤッてないのか?」


私と秀哉は、無言で頷いた。


「そんなことするわけないよ。

それ以前に。

まだ、付き合い始めてもいないし……」


お互い仕事が忙しかったし。


梨華が実家に帰るのをちゃんと見届けるまでは、なんとなく積極的に行けない自分がいて。


それは秀哉も同じなのか。


私達の関係は、まだ何も始まっていなかった。