"違う"
"そうじゃない"
そう言いたかったけど、それは声にならなかった。
もう一度逃げ出してしまえたら、どんなにかラクなのに。
「ちょっと、邪魔!」
突然背後から聞こえた声に、ビクッと肩が跳ねた。
歩道に突っ立っていたから、通行人に注意されてしまったようだ。
「菜穂さん、こっちへ」
そう言って崎田君が、私をとあるビルの駐車スペースへと誘導した。
私はなんだか崎田君の顔を見れずに、ビルの入口をただじっと見ていた。
「菜穂さんのあの態度で、大学時代の友人が好きなのは、すぐにわかりました。
その人と付き合っていないなら、僕にもチャンスがあるかもしれないけど。
あんな態度を取るくらいだから、何か訳アリなのかなって思って。
だから、その相手がどんな人なのかを知りたかった……」
すごい執念だよね。
その爽やかな見た目からは、全く想像が出来ない。
「飲み会に行ったら、男性が二人いました。
この二人のどっちかかな?と思ったけど、今日来てない人がいるとおっしゃっていたので。
その人の可能性もあるから、だから来ていない人の性別を聞いたんです」
うそ。
全然気づかなかった。
あそこであの質問が出たのは、そういう理由があったからなんだ。
"そうじゃない"
そう言いたかったけど、それは声にならなかった。
もう一度逃げ出してしまえたら、どんなにかラクなのに。
「ちょっと、邪魔!」
突然背後から聞こえた声に、ビクッと肩が跳ねた。
歩道に突っ立っていたから、通行人に注意されてしまったようだ。
「菜穂さん、こっちへ」
そう言って崎田君が、私をとあるビルの駐車スペースへと誘導した。
私はなんだか崎田君の顔を見れずに、ビルの入口をただじっと見ていた。
「菜穂さんのあの態度で、大学時代の友人が好きなのは、すぐにわかりました。
その人と付き合っていないなら、僕にもチャンスがあるかもしれないけど。
あんな態度を取るくらいだから、何か訳アリなのかなって思って。
だから、その相手がどんな人なのかを知りたかった……」
すごい執念だよね。
その爽やかな見た目からは、全く想像が出来ない。
「飲み会に行ったら、男性が二人いました。
この二人のどっちかかな?と思ったけど、今日来てない人がいるとおっしゃっていたので。
その人の可能性もあるから、だから来ていない人の性別を聞いたんです」
うそ。
全然気づかなかった。
あそこであの質問が出たのは、そういう理由があったからなんだ。



